5136.~刺激と情報〜
2025/09/27
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース、
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
今日のElephasブログ:「得意な擬人化で」(9月27日)
おはようございます。Elephas 東中野教室の安齋です。
小学5年支援級のKさんは、「ハサミンさん」「おとなのノリさん」「赤ちゃんノリ」「消し消しくん」など、物を擬人化することが大好きです。
講師も「これにはどんな名前が付くのか」といつも興味津々です。
物語も好きで、先の展開にわくわくしながら読み進めています。
文章を読むことが嫌いではないKさんですが、算数においては、なぜか文章題全般が非常に苦手です。
読み手に伝える為にきっちりとした情報を示す説明文になると想像力の度合い&理解度が薄くなる傾向です。
講師は文章題を読みながらホワイトボードに図を描いて、少しずつ条件となる物や数値を、絵など交えながら示して行きます。
その時は答えまで引き出せるので、
「理解できたか」と思えるのですが、次の文章問題に一人で取り組むと、図に表すことが難しかったりし、なかなか答えまでたどりつきません。
完全に定着していないのです。
「50円の鉛筆と100円の消しゴムをセットで売っています。5セット買うといくらですか?」
講師が「えんピッツさんと消し消しくんが1つの家にいるんだよ。その家が50+100円だ」という様に説明したところ、
Kさんは「そういう家が5つあるんだよね」と。
良い感触を得られたので定着の方法を考えます。
■文章題の数字を変える。■登場する物を変える。という、まずはこの2つの条件だけで、Kさん自身が問題を作る。
そして、それについて立式し、答える、ことを繰り返しました。
その時、Kさんが考えた問題を説明してもらい、講師がホワイトボードに絵を描きます。
ここでわざと間違った数や絵を描いたりすると,
「先生、それちがう。だって………」とすぐ反応があります。
このやりとりを大切にしています。
以前よりは、文章題がだいぶ読める様になってきたのではないかと感じています。
今は、(13+15)×8 というような式を提示し、その文章題を作る課題と取り組んでいます。
Kさん、もう一息。一緒に文章題を作っていこう!
◇ワンポイント・メッセージ◇
文章題に、Kさんにとってのキャラクターが登場した途端に、文章がKさんにとって意味を成すものとなりましたね。そうですね、そこがポイントです。Elephasの多くの生徒さんにおいて、自身との関連性が見いだされないものは自身にとっての情報となり得ない、という傾向が往々にしてあります。刺激=情報ではないのです。つまり、刺激が意味を成すものとなりにくいです。情報化する適切な刺激えらび、講師は楽しみながら行いましょう。そのためには、生徒さんをよく知り、興味に共感してあげられることが大切ですね。