3905 .~開拓・発掘~
2021/10/27
3905 .~開拓・発掘~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「才能,、発見!」(10月27日)
おはようございます。秋津教室の滝です。
講師にとって日々の喜びは生徒さんの成長です。
それと、もうひとつ。生徒さんの秘めた才能を発見したときです。
その瞬間はもう堪らない驚きと感動に包まれます。
中学2年生になるT君は、集中力を持続させることが課題です。勉強する気持ちがあっても、どうしても身が入らないことがあります。
ある日の授業。
鉛筆を持つ手が止まって、しばらくそのままの状態が続いたとき、講師は思いつきで、
「サイコロを作ってみようか」と提案しました。
T君は工作用紙を前にすると、講師がこれから展開図の描き方を説明しようとするのを待たずに線を引き始めました。・・・最後はミリ単位の精確さで線の外側を切ると、セロテープも器用に使って完璧なサイコロを作り上げました。
その後の授業でも、数多くの立体を作りました。
三角柱、円柱、三角すい、辺の長さがそれぞれ違う直方体、徐々に難易度が増し、直近の授業では正八面体。
T君の立体空間を把握する能力の高さは、これまでの授業で十分に感じていましたが、この正八面体を作った後の出来事にはほんとうに驚きました。
講師は、上下ピラミッド型になっている正八面体を立たせるため、その台のようなもの(穴の開いた立体)を作ったのですが、上手く立ちません。
すると、T君は残った工作用紙を使って台形を1つ2つと縦に描き並べ、4つ目を描き終えると、今度は三角形を同じく4つ、縦に描きました。
講師は何を作ろうとしているのか分かりませんでした。ただただ見つめているだけでした。
・・・4つの三角形の台形の部分(左右辺)だけセロテープで貼り合わせました。
出来上がった正八面体の台は、「お見事!」としか言いようがありませんでした。
驚きと感動に包まれた瞬間です。
正八面体を台に乗せると、三角形の部分が下に折られ、凸の台が凹に変形し、ピタッと静止したのです。
◇ワンポイント・メッセージ◇
T君、まさに神技です。文を読みながら立体制作の工程をイメージしようとしても、追いつきません。作業をそばで見つめていた講師はその完成にどれほど感動したことでしょう。と同時に生徒さんの力が発揮されることほど私たち講師にとって嬉しいことはありません。ひとり一人の生徒さんの力の開拓と発掘、こちらも真剣にならざるを得ません。
